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【購買心理】 売れる! 店頭での商品の見せ方 ~お菓子編~(ステラおばさんのクッキー)

子供の頃、母がよく東京土産で買ってきてくれたものの中にステラおばさんのクッキーがあった。

素朴な茶色の紙袋に包まれたクッキーは、まるでアメリカのファミリー映画に出てくるような雰囲気があって、当時映画にはまっていた僕にとって、ステラおばさんのクッキーは遠い憧れの異国のお菓子であると同時に、母の優しさを感じることのできるものだった。

爽やかな甘みを感じるレモン風味のクッキー、炒ったアーモンドとチョコチップが絶妙なアーモンドチョコチップクッキー、ゴマが香ばしいセサミクッキー。。。

ステラおばさんのクッキーを食べると、家族がみんな揃っていた懐かしく平和だった子供の頃の思い出が蘇る。

僕にとって単なるお菓子ではなく、思い出そのものなんだ。

そんなステラおばさんのクッキーがなんとコンビニデビュー!

ポッキーだとか、きのこの山だとか、コアラのマーチと並んじゃうわけ?

アントステラのクッキーが?

自然主義者のアーミッシュだったアントステラのクッキーが?

創業者ジョセフ・リー・ダンクルが74歳になっていたアントステラから6年間かけて習得したレシピが?

大量生産、大量消費の権化のようなコンビニエンスストアに?

並んじゃうわけ?


いやだー!


というのが第一印象。

だってね、思い出なわけですよ。

僕にとっては。

ただのクッキーじゃなんですよ。

コーク好きの人にとってニューコークが発売された時のような衝撃ですよ。


そんなわけで行ってきました。

今はまだセブンイレブンでしか売っていないみたいですね。

「がっかりしたくないな~」

「コンビニのお菓子ってコンビニにあるだけで安っぽく見えるんだよな」

と思いつつ、菓子棚を見てみると。。。。いた!


Sutera_2

「おっ、あれ?意外にいいじゃない。。」

ビニールのピロー包装が残念なイメージを与えていたらどうしようと思ったけど、なかなかどうして、デザインがいいもんで、包装のしょぼさをカバーしている!どころかデザインの良さがピロー包装という大量生産品のパッケージのイメージを打ち破っている!

なんでだろう?

いや、嬉しいんだけど、なんでコンビニに並んでいても 「ステラおばさんはステラあばさんである」んだろう?

たぶんそれは「ステラおばさんらしさ」を失っていないからだろう。

他のお菓子のパッケージと見比べて欲しいんだけど、他のお菓子ってのははっきり言うと、以下のような特徴がある。


Pokki

Kikiki

■良い点

 ①おいしそうな写真

 ②名前が食べた時のイメージを与える(ポッキー、クランキーなど)

 ③商品に合った色を使用(ポッキーは赤、きのこの山、たけのこの山は緑など)

■悪い点

 ①写真が他のお菓子と似ている場合が多い

 ②どこかで聞いたことのあるネーミング

 ③色からは商品の深いストーリーは聞こえてこない


今回のステラおばさんのコンビニ版のパッケージを見てみると。。。

■写真について
 
 ・商品写真はクッキー一枚のみ。
  (写真の一部にはステラおばさんのイラストが被っている)

■ネーミング

 ・コンビニで今までに売られていない、家庭的なネーミング

■デザイン

 ・パッチワークを思わせるような素朴な色合い。3種類別々の色を使い
   そのバランスも合っている。


写真から見てみると、なんと大事な商品写真がロゴデザインで隠れている!
商品の全体が見えない状態になっている。

Appu

だけど、これがいい。

なぜか?

大事なのはクッキーのおいしそうなイメージ写真ではなく、このクッキーが「ステラおばさん」のクッキーであるということをアピールしているからだ。

もう一度、商品写真を見てみると、クッキーの前面にロゴマークがきている。

そしてこのロゴマークのデザインがキモ。

優しげな笑顔のステラおばさんがお皿いっぱいのクッキーを持っている。

まるで 「ほら、焼き立てのクッキーをお食べ」と言う声が聞こえてきそうだ。

いや実際にはそこまで考える or 気付く人は少ないと思うけど、単なる「クッキー」の写真でなはく、「ステラおばさんが作ったクッキー」であるいうことが無意識に伝わってくるデザインになっている。


次はネーミング。

これはもう言わずもがな、こんな名前のお菓子がコンビニに並ぶのは亀田製菓の「おばあちゃんのぽたぽた焼き」以来だろう。

あの商品もロングランヒットを続けている。

ぽたぽた焼きが「田舎にいるおあちゃんが自分のために作ってくれたおせんべい」というストーリーを喚起させるのに対して、「ステラおばさんのクッキー」はそのアメリカンカントリーバージョンにあたる。

カントリーマームというお菓子もあるが、ステラおばさんのクッキーは「ステラおばさん」という固有の人物名を挙げることによって、よりストーリーのイメージを豊かにしてくれる。

なぜなら、多くの日本人にとっては、アメリカンカントリーはイメージを思い浮かべるのが難しいからだ。

「おばあちゃんのぽたぽた焼き」のおばあちゃんが住んでいる田舎は皆にとって親しみやすいけれど。
(多くの人はめってに帰省することのない自分の故郷などを浮かべるだろう)

カントリーマアムのパッケージにはカントリーっぽい家のデザインがされているが、あれがまさに多くの日本人が想像できるアメリカンカントリーの限界であろう。

Maamu


よって、カントリーマアムのパッケージから得られるストーリーイメージは、商品購入前に消費者が持っているイメージを超えることは無く、したがって味が良くてもその先の感動につながらない。


最後にデザイン

ステラおばさんのパッケージには、カントリーマアムのような具体的なアメリカンカントリー(実際は素朴な暮らしを送るアーミッシュライフスタイルだが)のデザインは入っていない。

あるのは

①ステラおばさんのロゴデザインが載った商品写真

②パッチワーク生地のようなデザイン

③手書き風な商品タイトル

Sutera_2

だけだ。

だけど、これだけの限られたデザインが、素朴な暮らしを送るアメリカンカントリーの風や、ステラおばさんの優しさを感じさせている。

人にイメージを喚起させるデザイン情報というのは具体的であるといけないのかもしれない。

抽象的な方が消費者は自らイメージをするようになるのかも。

だけど抽象的すぎては消費者は分からない。

そんな薄皮一枚のような繊細な消費者の心理をうまくついたのが、今回のコンビに版ステラおばさんのクッキーだったのだと思う。

ステラおばさんがいつまでコンビニにいられるか(or いてくれるか?)はまだ分からない。

だけど、息の長いヒットになるんじゃないかと僕は思っている。


ステラおばさんのクッキーのアートディレクションをされている方は、このブログを書かれている坂之上洋子さん。

ブログを読むと分かる通り、とっても素敵な人です。

ビジネスパーソンとして、家庭人として、女性としても。

だからこそ、ああいう素敵なデザインができるのかもしれない。

個人的にはこのエピソードが僕のつぼ。
娘さんのたこ踊りが可愛らしすぎる!!


褒めてばかりもなんなんで一つだけ希望を言うと、もうちょっとクッキーを固めにして欲しいな~。

「サクサク食感」とパッケージに書かれているけど、昔からのステラおばさんファンとしては、もうちょい実が詰まっていて硬いあの素朴な食感の方が好きだな!

それから、是非レモン風味クッキーも!

サイトを見たら扱ってなかったから、もう販売していないのかな?

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