【購買心理】IKEAとニトリのコミュニケーション戦略(売れる家具メーカーの条件とは?ブランディングとは?マーケティングとは?)
前回、IKEAとニトリの無印の店内の違いについて書いたけれど、Creative Criminalsで素敵なIKEAのCMを見つけた。
僕はそんなに猫好きってわけじゃないんだけど、これを見たら一気に猫の魅力にはまってしまったよ。
とにかくまずはこれを見てほしい。
http://www.ad-minister.net/2010/09/14/ikea_herding_cats/
たゆたうようなスロー動画
閉店後のシーンと静まったIKEAの店内
好奇心を露わにして、まるで始めて遊園地に来た子供のように家具とじゃれる猫達
Lost in translationのような視点撮影と音楽
そんな中で静かに目をつぶる猫
具体的な商品の説明は何もない
だけど、最後のメッセージが全てを補完してくれている。
HOME
IT'S HOW IT MAKES YOU FEEL
HAPPY INSIDE
IKEA
HAPPY INSIDEの直訳がちょっと分からないけれど、雰囲気はばっちり伝わってくる。
IKEAが提供しているのは、HAPPY INSIDE。
意訳すると、心の豊かさ、心の奥からの幸せ、本当の幸せ、じんわりくる幸せ
そういう感じかな?
では次にこのCMを見て欲しい。
http://www.youtube.com/watch?v=D8JVJdp28XU
これは国内家具メーカー大手のニトリのCM。
言いたいことはシンプル。
安い!
そして最後にはいつもの決め台詞。
『お値段以上、ニトリ♪』
何はお値段以上?
品質なんだろうけど、ちょっと待って。
『品物はめっちゃ安いけど、安いだけじゃなくて、その金額以上の価値はちゃんとありますよ!』
っていうのがメッセージなんだけど、どれだけの価値があるのかな?
金額の1.5倍?2倍?
そもそも価値って何?
耐久性?デザイン性?その両方とも?
そもそも、『お値段以上』と言いつつも、その『お値段以上の何か』を主張せず、お値段(値下げ宣言!)しか主張していない。
低価格を武器として選んでいるからなんだろうけど、それだけでお客さんは来るかな?
ターゲットとして、デザインにはこだわらないでとにかく安いものが欲しいという層を狙っているのかな。
安ければデザイン性には目をつぶるというのなら、安くかつデザイン性に優れていればそっちを選択する人は増えるんじゃないかな?
IKEAは北欧風デザインのちょっと高い家具ってイメージを持つ人が多いかもしれないけれど、種類数が豊富なため価格帯も幅広く揃えている。
そしてその価格帯はニトリとほぼ変わらず、ものによってはニトリより安いものもある。
ニトリのCMを見て感じるのは「低価格」
IKEAのCMを見て感じるのは「心の豊かさ」
それらが顧客が商品を購入する際のKey Buying Factorになっているんじゃないかな?
そして両者が狙っているターゲット顧客はそれぞれ違うようだが、実は同じなんじゃないかな?
ニトリは『安いものを求める20代~50代の低・中所得層の単身者・夫婦』
だけど、『お値段以上、ニトリ♪』から読み取れるように安いだけじゃなくて価値も求める層を狙っている。
だから本当は、
『安いけれど価値のあるものを求める20代~40代の低・中所得層の単身者・夫婦』
になる。
そしてこのターゲットはIKEAも同じ。
だけどIKEAの場合は『価値があって、安いものを求める』と、価値を優先する顧客がターゲットと考えられる。
IKEAが低価格をもっと主張(メッセージと外れるため主張方法は難しいが)すれば、ニトリに流れている顧客を奪えるんじゃないかと思う。
例えば、よくコンビニなどに置いてあるIKEAのカタログを無料でターゲットの目につくところに配置するとか。
・コンビニのレジ前
・大学構内
・ファミレス
・カフェ(スターバックス、ドトール、ヴェローチェなど)
※ここは結構ターゲットが被っている気がする
・オフィスの休憩所・喫煙所
・オフィス街のレストラン・食堂
CMでは、品物紹介する際に金額を字幕で入れて、その中に低価格のものもちょっとだけ入れておくとか。
低・中価格の家具メーカーにとって成功するKey Success Factorは、『価値感』と『低価格』だと思う。
ニトリは低価格のみを前面に出しており(価値観も伝えようとしているが、上手く伝わっていない。伝わったとしても耐久性のみでデザイン性は伝わってこない)、IKEAは『価値観』を強く主張している。
両社のブランディングとかマーケティングはもう少しなんじゃないかなって、CMを見ていてちょっともどかしい気持ちになりました。
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